皆さんこんにちは。
今日は気功の先生と過ごした思い出話しです。
先生の温かい人柄を思い出して書きました。
先生に気功を習っていた当時は、平日の仕事が終わる時間が不定期だったため、いつも日曜日の午後から教室に通っていました。
マンションの一角にある教室に着くと、いつもお茶を出してくれますので、それをいただいて一服してから練功を始めます。
日によって、パンやお菓子、お粥を作ってくださる時もあり、本当に家族のように接してもらいました。
練功後も、水分補給のため暖かいお茶を飲みながら、先生と色々なお話をさせていただいて、楽しい時間を過ごしていました。
とある日曜日、練功が終わって先生とお茶を飲んでいると、、
先生「この後、何か予定がありますか?」
私「休みなので、今日は特に予定はないです。」
何かあるのかな?と昔を思い返すと、、
教室の近所に六義園という大きな公園があり、以前何度か一緒にそこへ連れていっていただき、散歩をしたり抹茶をご馳走になった事がありました。
今日もそのお誘いかと思っていると、、
先生「〇〇くん、ハンドメイドの雑貨には興味がありますか?」
私「!!?…ハンドメイドの雑貨ですか??」
突然の話題でしたので驚きましたが、、
私「自分の気功教室でお世話になっている施設では、ハンドメイドの物を作っていて、いつも見せてもらったりしてるので、多少は興味があります。」
先生「私の知り合いが近所で小さなお店をやってるから、ちょっと見に行きましょう。」
という事で、一緒にハンドメイド雑貨のお店に出かける事になりました。
二人で教室を出て10分くらい歩いたでしょうか、先生は小さなアパートの前で立ち止まりました。
先生「着きました。ここですよ。」
私「???」
どう見ても、古い昔ながらのアパートがあるだけで、お店らしき物は全くありません。
しかし先生は迷う素振りもなく、そのアパートの階段をすたすたと登っていきます。
そして2階に上がると、一つのドアの前で止まりました。
ドアを見てみると、確かにお店らしき名前が書いてあります。
(へ〜っ、こんなアパートの中にお店があるんだ…。外にも看板らしき物は見なかったけど、先生はどうやってこのお店を見つけたんだろう?)
先生のあとに続き恐る恐る部屋に入ると、店内はアジア風の雑貨屋さんになっていました。
レジなのか?受付なのか?それらしきテーブルの前に、一人の女性が座っています。
柔らかい雰囲気の小柄な女性です。年齢は20代後半か30代前半くらいでしょうか。
先生「こんにちは。お店の中、また見せてください。」
謎の女性「どうぞ、ごゆっくり。」
私「・・・」
一通りお店の中を見終わると、先生と女性と一緒に話しをしました。
その女性は、普段は会社員をしており、土日だけこの雑貨店をやっているんだとか。
先生と知り合ったのは、たまたま通りがかりにお店を見つけて訪れた先生と意気投合して、今のようにお店でよく話しをする関係になったとの事。
その女性は、福祉施設にもハンドメイド雑貨の先生として呼ばれて行くことがあるようで、色々と話しが弾みました。
しばらく話しをしたあと、気に入った雑貨があったのでいくつか購入して、お礼を伝えると先生と一緒にお店を出ました。
(先生、そんなに昔からの知り合いでもない感じだけど、今日はなんで私を一緒にお店に連れてきたんだろう…。)
なんだか急に連れて来られた感じがして、ちょっと不思議な気持ちになりました。
その帰り道、、
先生「○○くん、どうでしたか?」
私「小さな可愛いお店ですよね。それにしても先生、よくあんな場所を見つけて一人で中に…」
先生「お店じゃないですよ!」
あれ…先生、なんかちょっと怒ってます?
私「えっ??」
先生「あの子はどうだったかって事ですよ。」
私「どうだったかって…仕事をやりながら、好きなお店まで開いていて、立派な方だな〜って…」
先生「違うよ、女性としてどう思ったかって事を聞いてるんですよ!」
…ここでやっと気づきました。
先生、、これって…まさかお見合いをさせようとしてませんっ!?
思い返せばいつも、お茶を飲みながらの会話でも、、
先生「○○くんは将来はどうするの?相手の人はいるの?」
と心配をしてくれていました。
私「先生、あのですね…とっても良い方だと思います。柔らかい雰囲気で、優しそうな方だし…」
先生「そう、じゃあすぐデートしてみたらいいよ。」
私「いや、あの、その、、今はですね。。ひ、一人が楽って言いますか。。まだ仕事の方も落ち着かないですし…。」
先生「そんな事を言っていたら、ずっと独りになりますよ。ちょっと会ってみたらいいんだよ。」
私「・・・」
帰り道。駅に着くまでの間、先生からは、、
「世の中には男性と女性がいます。いつかは誰かと一緒に生活するんだから。男性もずっとひとりじゃいられないんですよ。」
という話しをこんこんとされました。
その正論を胸に刻み、中年男は一人肩を落として、電車に揺られて帰るのでした。。
P.S. 先生、いつもこんな中年男の身の上を心配してくださって、本当に有難うございます。
あの時は、ちょっとドッキリみたいで驚きました(笑)
まだやりたいことがあり、もう少し一人でいると思いますが…いつかは。出来の悪い弟子ですみません!
せめて仕事だけは、頑張ってやれる人間になります。。
おしまい。